なのはなテレビ

ここは、しづはのブログです。

きのう、瑠璃に来月分のおこづかいを渡したとき
「これ偽札じゃないの?」
と、彼女が突き返した。
「やだ、うそ」
「だって、ほら」
瑠璃が指摘するところを見ると、ホログラムがありません。真ん中のすかしの部分も真円のようです。あわててわたくしは、じぶんのお財布からお札を取り出して見比べてみました。
「ほらーぜんぜんちがうじゃん」
うんうん! 一見似ていますが、よく見ると細部がちがってる。
「やだ、どうしよう」
「警察よ、警察に電話するのよ、早く早く」
わたくしたちがさわいでいると、同居人がやってきて、瑠璃の手からお札を取り上げ
「むかしの一万円じゃないか、これ」
わたくしと瑠璃は同時に大声をあげた。
「ええ==」
「最初の諭吉さんだろ。ママだって見たことあるはずだろ」
「そうだっけ。そういえばなんだか見覚えあるような… あ、裏のキジさん、かわいいなっておもった気がする…」
お札を裏返してみれば、雌雄の二羽のキジさんの絵がありました。
「なにそれ? 違う絵のお札があってもいいの?」
と、瑠璃がふしぎそうに質問。いわれてみれば、わたくしにも明確な答えはできません。どちらも正当に流通しているということでしょう? お札の図柄がちがっていてもいいの? 新しい図柄しか知らないひとにとってみれば、古い図柄のお札はどう見ても偽札です。その正当性の根拠はどこに由来するのでしょうか。
「これ珍しいかもしれないから、使わないで取っておきなさいよ。価値が出るかもしれないわよ」
と、冗談でいうわたくしに、即座に瑠璃は
「ふつうのお札に換えて。早く」
あくまでも冷静なのでした。

学問のすゝめ (講談社学術文庫)

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