はやぶさ 遙かなる帰還
あの感動から一年。
JAXA全面協力のもと、完成した「はやぶさ」の映画を見てきました。
2010年5月から6月にかけて。
あのときは何回も泣きました。
YouTubeの動画を見ては泣いたし、夜空で燃え尽きるはやぶさを見ては泣きまくりでした。わたしのデスクには、いまでも「はやぶさたん」のフィギュアを飾っています。去年買ったプラモデルはいまだに同居人が作ってくれないので、箱のままなんだけど…
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この映画は「はやぶさ」より、ひとりの若き科学者の卵に主眼をおいて作られたものでした。「はやぶさ」プロジェクトとともに、成長していく姿を映し出したのです。
「はやぶさ」がどれだけ苦難の旅を続けてきたか、というより、若い科学者の卵のほうにテーマが寄っていたので、「はやぶさ」そのものに対する感動が薄まってしまいました。
映画を見る前は、わたしはぜったい泣くとおもってた。
だってYouTubeの動画で感動して泣いてたくらいだから、大スクリーンに映し出される「はやぶさ」を見たら、涙でぼやけて見えなくなるんじゃないかとおもっていました。
でも、そんなことはなかった。
完全なドキュメンタリーではないから、そこに多少フィクションの味付けが入るのはしかたないのかもしれないけど、この作品においては、主人公は「はやぶさ」ではなく、フィクションのヒロインになってしまいました。「はやぶさ」への感動のベクトルがちょっとずれてしまいました。
架空のヒロインを用意したのは映画的にはありなんでしょう。
でも、そのせいで数々の苦難をくぐりぬけて、無事に地球に帰ってきた「はやぶさ」へのおもいが、中途半端なものになってしまいました。
「はやぶさ」のことをよく知らずに見ているひとは、「はやぶさ」がどれほどすごいミッションをこなしてきたのか、よくわからなかったおもう。わたしたち「はやぶさ」ファンは、それこそがみんなにわかってもらいたいポイントだとおもっているのに…
一般のひとにどこまで伝わったか、微妙なんです。
「はやぶさ」ファンのわたしですら泣けなかった映画なので、一般のひとはそれ以上に「?」だったのじゃないかなとおもいます。