劔岳 点の記
昨年話題になった作品ですね。監督のこだわりでCGを使わず、すべて実写。スクリーンで見たらもっと迫力があったかもしれません。でも、テレビで見ても十分に山のすごさが伝わってきました。
登山経験がないので、わたしは山なんか麓から単純に登っていけばいいじゃん?なんて考えてましたが、この映画を見て、なんてばかだったんだろうと思い知らされました。山はそこにひとつだけぽーんと聳えているわけじゃないんですね。周囲は全部山…山… だから、山を乗り越えて乗り越えて、目的の山に向かっていかなくてはなりません。しかも登山道があるわけじゃない前人未到とされていた劔岳です。
日本の正確な地図を作るため、明治40年陸軍の測量士さんたちが、劔岳の頂上を目指します。測量のために三角点というものを設置しないといけないのです。わたしは幾何学とか苦手なので、測量の原理を知りませんが、とにかく三角点というものが必要なのだそうです。
主演の測量士は浅野忠信さん。物静かだけど、芯の強さを秘めた凛とした演技で、わたしはこの作品ではじめて彼の演技を見たと思いますが、とてもすてきな人です。奥さん役が宮崎あおいさんなんだけど、彼女に対して丁寧なことばでやさしく接するの。時代は明治ですよ。まだまだ男がいばっていたと思われる時代です。文明開化から40年たっているとはいえ、女性の参政権すらなかった時代なのに。そんなほのぼのとしたシーンを見るにつけ、浅野さんが好きになってしまいました。
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案内人が香川照之さん。若い測量士補が松田龍平さん。このひと、だんだんお母さんに似てきましたね。