なのはなテレビ

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刑務所の中

初版が2000年7月なので、9年前の作品になるのだけど、偶然見つけて読んでみたら、とてもおもしろかった。
著者の花輪和一さんは、違法改造モデルガンを持っていたために、逮捕起訴されてしまい、懲役3年の実刑判決を受けて服役したのだそうです。
花輪さんの作品は、怪奇ものだいすきなわたしなので、いくつか読んで知っていました。でも、刑務所に入っていたとは知りませんでした。ふつうの人はなかなか知ることができない刑務所の暮らしを、とてもリアルに描いてあります。服役中にこんなことをメモやスケッチできたとは思えないので、記憶だけをたよりに描いたはずなのに、細部に至るまでがきっちりと描かれていて、やはりこのかたは天才なのかもしれません。
映画化もされているのですね。知りませんでした。
漫画の中でわたしが共感できたのは、一日があっというまに過ぎるということです。わたしが以前ケガで入院したときに、同じような思いをしました。病院生活も毎日が規則正しく過ぎていきます。朝、決まった時間に起き、検温、しばらくすると朝食。すこしして院長先生の回診があり、それが済むといつのまにか昼食。午後はリハビリとかしたり、ちょっとお昼寝したりしているうちに、夕食です。そうこうしているうちに夜の検温があって、消灯となります。自分としてはなんにもしていない気分なのに、あっけなく一日が終わってしまいました。そのくり返しでした。病院生活はただ懲役がないだけで、刑務所とあまり変わらないのかもしれないなぁと思いました。ただ、刑務所の暮らしというのは基本的に懲らしめなので、刑務官さんに絶対服従というのがわたしにはできないことです。きっともしわたしが服役したら、毎日懲罰されちゃいそうです。
(刑務官さんたちは復讐されることを恐れていないのかしら。受刑囚が出所したあとで、お礼参りされたりしないのかしら。と心配になりました。あまりニュースになったりしないところを見ると、だいじょうぶなのでしょうが… まあ、そんなことを心配するような細い神経ではとても務まらないお仕事だと思いますが)

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