きょうは節分

恵方巻きっていうんですか？　ここ数年、コンビニのせいか、日本中に広まりつつありますが、みなさんあれ食べてます？
うちでは、しません。
家族全員で同じ方向を向いてあの太巻きを無言で食べてる図を空想するだけで、鼻から牛乳です。どうしてもできません。だいたい、あの太巻きの大きさはなんですか！　あんなの口にほおばれませんよ。しかも、あのボリューム、あれを食べろというの？　むちゃです。
この奇習をしかけたのは、大阪の海苔屋さんたちだとか？　それも、ごく最近のことみたいです。道理で、江戸っ子にはそんな風習がなかったわけだわ。大阪の人たちは、ほんとうにあれを丸ごと食べてるんですか？
とりあえず、挑戦してみないことには話にもならないので、いちおう買ってきました。パックから取り出した瞬間、「うそでしょう？」という実感はぬぐえません。絶対にひとりじゃ食べられそうにないので、真ん中で二等分します。
それをお互いに持って、「食べてみる？」「…いくか…」「せーので」「お、おう」
鯉のように口をぱくぱくさせて、いざ鎌倉！という段階になって「やっぱりだめだ。おれの美意識か許さない」とかなんとかいって、テーブルに置いて棄権する相手。
先を越されてしまったわたし。引くに引けない。わたしの美意識も、これを食べるなといってるんだけども。
「きみがそれを食べたら」
「え？」
「いや、もしきみがそれを豪快丸かじりしたらさ、100年の恋もいっぺんに冷めるってやつかなあ」
「おもしれー　食ってやるー」
「あ、よせっ」
あぐあぐあぐあぐ