なのはなテレビ

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言葉の持つ力

(ネタバレなので最後まで読む人は気をつけてね)




その相手を支配するために湯バーバは、なまえを変えてしまう。
なまえを奪われた相手は、湯バーバの呪縛から逃れられなくなってしまう。
「言葉は力」という宮崎監督。
さすが。
言葉は口に出して発した瞬間から、パワーを発揮するのだ。日本は言霊の国。そんなばかな、と思うでしょうが、あなたも知らず知らず言霊に影響されていることに気がつくでしょう。
たとえば、よく「縁起でもないことを言うなよ」と言ったり言われたりしますが、これはどういうことなのか突き詰めて考えてみたことがありますか?

不吉なことを言う→言霊パワーでそれが現実に起きる(かもしれない)→そういう言葉を言わないでほしい

無意識かもしれないけど、日本人はいまでもそういう言霊に支配されているのです。
あした海外出張の課長に、部下がひとこと「飛行機、落ちないといいっすね」と言ったとします。言われた課長、あまりいい気がしません。「ばかなこと言ってんじゃねえよ」と言い返したものの、内心穏やかではありません。これはなぜだと思います? つまり部下がつい口を滑らせてしまった「飛行機=落ちる」という言霊の持つ実在化するパワーに畏怖を感じているからにほかなりません。自分では意識していないけれど、確実に言霊の持つ魔力におびえているわけです。
このときもし、ほんとうに彼が乗った飛行機が墜落でもしようものならたいへんです。見送った社員達はみないっせいに、不吉なことを言ったあの部下を非難するでしょう。「おまえがあんな事を言ったせいで、課長が死んだんだ」「どう責任を取るんだ」などなど。責任取れといわれても、彼がとりたててどうこうしたわけじゃありませんね。ただ彼は「飛行機落ちないといいっすね」と言っただけなのですから。それでもまわりの人は、あいつのせいだと彼を責めるはずです。
わたしたちは普段あまり意識しないけど、この事例のように、いまでも十分言霊に支配されていることがわかります。
冒頭に戻りますが、なまえはとてもたいせつです。
以前Marsとお話ししたことがありましたが、古来から相手を支配するには、そのほんとうのなまえを知ることができればいいのです。ほんとうのなまえってなに? と思った人もいるでしょうが、人には通称とほんとうのなまえがあるんですよ。大多数の日本人は世間一般で通用するなまえしか持たないと思いますが、中にはそうではない人もいるのです。それは親の考え方しだいなのだけど。興味がある人は「諱(いみな)」について調べてみてください。

もしかすると、あなたにも、戸籍に載ってるなまえ以外に、もうひとつのなまえがあるかもしれませんよ。
ハクの本名が「ニギハヤミコハクヌシ」だったように…
(ハクは河の神さまだったのね。竜になってるときは、もののけ姫のオロとその子どもたちを彷彿とさせる)

言葉には力がある、ということは忘れないでくださいね。
これは洋の東西を問わないと思います。
聖書の創世記を読むと、神さまは言葉の力でこの世の中を作られているでしょう?
いつの時代から、言葉が軽佻浮薄な実体の伴わないものに落ちぶれてしまったのでしょうね。