なのはなテレビ

ここは、しづはのブログです。

水俣病

出水市に行ったときのこと。
国道3号線の道路標識に「水俣」という地名が表示されていて、運転していた同居人がぼそりとわたくしたちに向かって「水俣病って知っているか?」とつぶやいた。
わたくしも瑠璃もきょとんとする。
「聞いたことくらいあるだろう?」
わたくしはかろうじて、その病名を耳にしたことはあった。けれども、それがどういう病気なのかはわからなかった。
「おいおい。瑠璃はともかく、きみが知らないとはな…」
「ごめんなさい。公害病だったとしか覚えてない…」
後ろの席から瑠璃が
「こうがいびょうってなに?」
同居人はふうっとため息をつき
「瑠璃もママも、あとで宿に帰ったら話してあげるよ」
と、それきり話題はそれた。

宿に帰ってお風呂に入り、一息ついたところで、同居人が話してくれた。
日本の過去にあった(いまでもある)公害病のことを。先ほどまで見ていたあのきれいな海で起きた水俣病のことを。病気が起きたのは水俣市だけではなく、八代海に面している隣の出水市でも起こっていたことを。わたくしたちは、ツルを見たあと脚を伸ばして、八代海まで行ってみた。波穏やかな海だった。ノリの養殖をしていた。この美しい海で60年前、水俣病がたくさんの住民の命を苦しめたのだ。

帰ってきてから調べてみたところ、水俣市にはこの水俣病を次世代に伝え残すために「水俣病資料館」と「水俣病歴史考証邢」というものがあるのを知った。瑠璃も連れて行きたいが、なかなかそうもいかないので、わたくしひとりだけでも訪問してみたい。