新世紀エヴァンゲリオン
ビデオは
- 第拾壱話「静止した闇の中で」・第拾弐話「奇跡の価値は」
- 第拾参話「使徒、侵入」・第拾四話「ゼーレ、魂の座」
- 第拾伍話「嘘と沈黙」・第拾六話「死に至る病、そして」
- 第拾七話「四人目の適格者」・第拾八話「命の選択を」
レーザーディスクは、やっぱりきれいでうれしい。再生して気がつきましたが、CAVなんですね。片面に一話ずつという、たいへんに贅沢なものです。画質も美しくなるし、コマ送りして楽しむこともできます。さすが、マニア向けだと納得。
残りの作品もレーザーディスクで集めたい〜
- 作者: エヴァ用語事典編纂局
- 出版社/メーカー: 八幡書店
- 発売日: 1997/03/01
- メディア: 単行本
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文系のわたしにとって、エヴァに出てくることばは難解で理解するのがたいへんです。この事典はエヴァで使われている専門的な用語1000語以上を、きわめて正統的に解説してくれます。エヴァ鑑賞にはなくてはならないものといえるでしょう。
たとえば「ディラックの海」
負のエネルギーの電子が充満している状態を<ディラックの海>という。光瀬龍『百億の昼と千億の夜』などのSFにも登場する概念。
ディラックは量子物理学者として著名なポール・ディラック。ディラックの理論によれば、真空とは正のエネルギーの電子(以下正エネ電子)がなくて、負のエネルギーの電子(以下負エネ電子)が充満している状態をいう。その安定性により、世界は崩壊しないと考えた。この<ディラックの海>から一個の電子を飛び出させるために必要な最低限度のエネルギーは、可視光の光子の100万倍のエネルギーを持つ高エネルギー光子が必要とされる。その飛び出た電子によってできた空席は、正の電荷、質量を持っているかのように振る舞う。これが陽電子である。ディラックにより予言された正の電荷を持つ電子、陽電子は、1932年アンダーソンによって宇宙線の中に発見された。さらに反陽子、反中性子も発見され、反物質の世界が提唱された。
<シュテュッケンベルク=ファインマン理論>では、正エネ電子の電子が時間を前進するのに対して、負エネ電子は時間を逆行するとした。ただし、前進する時間しか経験していない我々には、負エネ電子は陽電子(正の電荷、正のエネルギーを持つ)の性質を持った電子のように見える。
時間を前進する正エネ電子が、時間を前進する負エネ電子に変わると世界は崩壊する。しかし、時間を前進する正エネ電子が、時間を逆行する負エネ電子に変わることは可能である。それは我々から見れば、時間を前進する電子と陽電子が対消滅したように見える。仏教でいう<空>の世界も対消滅と対発生が無限に繰り返されているダイナミックな空間であり、そこから生じる電子の世界が我々の知覚できる<色>の世界である。
また、<ディラックの海>は<超ひも>として高次元空間に折り畳まれた世界に近いものを感じる。
第12使徒レリエルに初号機が飲み込まれた際、赤木リツコ博士の解説にこの『ディラックの海』ということばが出てきました。当然わたしには意味がわかりません。さらに追い打ちをかけるかのように、この用語事典の解説を読んでもまったく理解不能です。物理とか数学とか苦手でした。もっと勉強しておけばよかったです。