毎年恒例の豆まき

先日実家から連絡がありまして、今年も来るんだろ?と念を押されました。
どうしようかと逡巡しました。
一年前、書いたとおり、我が家の娘・瑠璃はレイちゃんになってしまったので、場のムードをしらけさせるだけになってしまいそうだから。そうなる前までは、大喜びで豆を投げていた彼女が、去年突然レイちゃんに進化してしまったのです。
断ろうかともおもったのですが、孫に会うのを楽しみにしている両親をがっかりさせるわけにもいかず、すこしはおとなの事情というものを理解してくれるようになった瑠璃に淡い期待を寄せて、それとなく彼女に打診してみました。
「もうすぐ節分ね」
「うん」
「あ、あのね、おばあちゃんがまた今年もおいでっていってるんだけど…」
「ママ」
「えっ!?」
「豆まきっておもしろいよね。ふっ」
かすかに笑う瑠璃。ちょっち恐い。
「え、ええ。おもしろいわね。…じゃあ、行く?」
「うん。行くよ」
「あ、そう、行ってくれるのね。ありがとう」
「みんな来るんでしょ。○○ちゃんや××ちゃんも」
いとこの名を口にする瑠璃。
「そうよ。みんな来るっていってたわ」
「ふうん」
「みんなおっきくなったかしらねー」
「あたりまえじゃない。子どもって成長するんだよ」
「そ、そうね…」

あいかわらず、乗り気でもなさそうな感じだった瑠璃が、当日実家に着くなり、だだだっと駈けだして、わたしの母にがっしと抱きつき
「おばあちゃん会いたかったー!!」
と、まさかのスリスリ攻撃w こんなこといままで一度もしたことないんですよ。その変わり身にわたしはびっくり。抱きつかれた母は、当然ながら満面の笑みで孫の瑠璃を大歓迎。ポイント一気に百倍ですよ。瑠璃すごい。さすがはわたしの娘だわ、と褒めていいのやら悪いのやら。
いとこたちともそつなく交流しています。懸念することなかった。けんかでもしたらどうしようかとおもっていたんだけど。
日が暮れて、恒例の豆まきが始まりました。
いつものように、親戚のお兄さんがたが鬼に扮して暴れ回ります。それをめがけて、子どもたちがきゃあきゃあいいながら、豆を投げつけます。鬼はときどき子どもたちを捕まえて、うわおーと脅かしながら抱き上げて揺さぶります。なかには泣き出す子もいるのだけど、たいていの子はキャッキャッと嬉しそうに笑っています。見ていると、瑠璃も親戚の子どもたちといっしょに笑いながら豆を投げています。ちょっち安心しました。鬼に捕まって抱き上げられたときも、まわりの子どもたちに助けを求めています。去年はしらっとした態度で「離して」と鬼に語っていた彼女が、今年はちゃんと演技しています! 与えられた役を理解して、その場のムードに反しない行動をとっています。すごいわ、瑠璃!
子どもってほんとうに成長するんですね。しみじみと実感しました。すばらしい演技力です。
おかげで今年の節分は、大盛況のうちに幕を下ろしました。

同居人が運転する帰りのクルマの中で、ちょっち眠そうな瑠璃と話をしました。
「今夜は瑠璃がいっぱい盛り上げてくれたから、みんなに大評判だったわよ」
「えへへ」
「ママ、嬉しかったわ」
抱きしめると、瑠璃は驚くほど大きかった。そっか、こんなに成長していたのね。
そのまま抱きしめていると、瑠璃は眠ってしまいました。かわいい。
うちに着くまで、とってもとってもしあわせな気分でした。
まる!