星守る犬

2011年夏に公開された作品が、もうDVDで見られます。
原作は全部読んでいました。原作のおとうさんはたぶん東京から南へ向けて旅を始めましたが、映画のほうは逆に北に向かって進んでいきました。だからおとうさんとハッピーが最後に迎えた地は北海道です。原作では広島県東広島あたりになっているので、地図で調べてみたらたしかに山間で冬には雪深そうですが、一般的な構図としては北海道に行ったことにしたほうがわかりやすいのでしょう。
おとうさんの足跡をたどるケースワーカーの奥津さんは、原作では50歳くらいですが、本作品ではまだ20代半ばの青年を玉山鉄二さんが演じてらっしゃいます。彼は北海道の役所に務めていますが、おとうさんの身元を探す旅に出て、おとうさんがたどった旅路をおなじようになぞります。おとうさんが残したわずかな手がかりだけをたよりに、東京から北海道まで、ふるいワーゲンに乗って(原作は1964年式のブルーバードですが)。
映画の中のおとうさんは西田敏行さんだけあって、どこかコミカル。でもやっぱり西田敏行さんなのでじょうずなんですね。泣かされちゃうんです。笑わされるんだけど、そのあとでぐすっと泣いちゃう。わたしは原作を読んでるから展開がわかるのだけど、それでもぶわっと泣いてしまいました。
この作品には2011年3月に起こった東日本大震災でめちゃめちゃになってしまったいわき市の海岸が、まだ美しかったときの風景が残されています。撮影は2009年から2010年にかけてだとおもう。あの震災が起こる前の、東北の美しい風景がこの映画には残されています。それを見るだけでも、泣いてしまいます。

原作のハッピーは雑種みたいでしたが、映画のハッピーは凛々しい秋田犬。体格も堂々としていて、捨て犬だったハッピーにしては奢りすぎかもしれませんが、見ればだれもがこのハッピーを好きになるとおもいます。彼の演技も見所です。名演技といえば奥津さんが子どものときから飼っていた「クロ」という犬も、じょうずでした。トレーナー、どれだけきびしく演技指導したのかしらとおもったけれど、映画の最後に「わたしたちは犬をいじめたりしてません」という旨の表示がでました。「犬にストレスを与えるような演技指導はしていない」そうです。こういう表示をわざわざするようになったのは、いつからなのでしょう。先日見た「かもめのジョナサン」に出てきたカモメ、あの映画のときはどうだったのでしょうか。むりやり海に投げ込んでいたりしなかったと信じたい。ちなみに「かもめのジョナサン」で鳥の演技指導をしたのは、かの名作ヒッチコック監督の「鳥」の演技指導をした人ですって! あの映像を見れば納得。

↑この予告編は保存版です。予告編を見るだけで泣いちゃうよう

星守る犬 [DVD]

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