使い捨てにされる労働者
この番組を見る前にわたしは「原発ジプシー」を読んでいたので、核発電所で働く労働者のみなさんの実態が、どのようなものかある程度はわかっていたつもりでした。
- 作者: 堀江邦夫
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 単行本
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実際は、本よりもさらに過酷で悲惨なものです。
放射線量が高い場所で作業する人員を確保するためには、身元不明のひとを使うほうが都合がいいわけ。東電が認めているのは3次下請けの作業員だけですが、真実は孫請けの孫請けのさらに孫請け、9次下請けで確保したひとたちが送り込まれていたのですって。ここまでくると、相当ピンハネされてるはずだから、日当4000円くらいじゃないでしょうか? そんな低賃金で、高線量の場所で働かされています。のちのち、病気になっても放射能との因果関係が立証できないから、泣き寝入りするしかありません。
「原発ジプシー」はフクシマの事故が起きるずっと前に書かれていた本ですが、作業員の被曝保護が1970年代からないがしろになっていたというか、抜け道だらけだったことがわかります。放射線管理区域なんておおげさにいうけど、実態はどこを管理していたのかといいたくなります。
それこそが東電が主張している「放射能をしっかりと管理しています」ということに対するクエスチョンです。核発電施設の放射能管理は、ザルです。ことばでは仰々しいことをうたっていますが、その実態は抜け道だらけのザル管理です。
仕事をやめてから数年後、強度の倦怠感でなにもすることができなくなってしまってから、もしかしたら核発電所で作業していたせいではないか?とおもっても、因果関係が証明できない以上、国はなにもしてくれません。国とはそういうものです。
わたしたちは日頃漠然と、国が守ってくれるとおもっているけど、国が国民の生命財産を守ってくれるわけありません! 日本は借金だらけです。あのね、借金だらけのひとが、なんとかしてくれるわけないでしょう? なにかあったら逃げるだけでしょう?