永遠のチェルノブイリ

チェルノブイリ原発事故から25年。事故を起こした原発は、いまだに周囲を汚染し続け、根本的な解決にはほど遠く、その処理は今も続いている。しかし甚大な被害を被ったウクライナでさえ、事故は風化しつつある。原子力エネルギーが注目を集める中、ヨーロッパ各地に原発が次々と建てられている現状に警鐘を鳴らす。2011年5月のアンコール。〜国際共同制作:Simple Production〜

チェルノブイリ原子力発電所で爆発事故がおきた1986年4月当時、わたしは小学校2年生にあがったばかりで、遊ぶことに忙しくて、世界のできごとなんてまったく関心外でした。あとになって知ったのですが、当時日本にも風に乗って放射性物質が舞い込んでいたそうです。なにも知らずに遊び回っていたわたしも、きっと吸い込んでしまったはず。そしてふと気づけば、瑠璃があのときのわたしとおなじような歳で、福島第一原子力発電所からの放射性物質に曝されています。なんの因果があるのか、ないのか、たぶん偶然の一致なのでしょうけど、いまこのタイミングで産んでしまったこと、瑠璃には申し訳ないなあとおもっています。
コンクリートの石棺で覆われたチェルノブイリ原子力発電所4号炉は、事故から25年がたち、あちこちダメになっているみたいです。突貫作業みたいなものでなんとか形になった石棺だから、すぐにガタがきて、補修だけでもたいへんなのだそうです。そこで、石棺の上からさらにおおきな石棺で覆う計画がスタートしつつあるみたい。というのも、いまはソ連から独立しているウクライナが一国で処理しなければなりません。当然そんな大金はないので、国際社会に頼らなければいけません。でもなかなか資金が集まらず、実際に建設に着手できるのかどうかが微妙なところ。
石棺の上をさらに石棺で封じ込めるというのは、事故を起こした原子炉を安全に解体できる技術を、世界中のどの国も持っていないからです。25年たってさえ、放射線レベルが高くてひとが容易に近寄れないため、いまだに解体できないでいます。チェルノブイリですら人類は手に負えず、とりあえず箱に閉じ込めておくことにしました。100年くらいたてば、なんとか処理できる技術を発見しているのではないかという期待を込めて。将来に先送りです。なんてあやういテクノロジーでしょう。
とおくない未来、もし人類が残っていたら、20世紀後半から21世紀にかけての人類はダメダメだったじゃんってブーイングされてしまいそう。