なのはなテレビ

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笑の大学

時代は昭和の15年ころ?
しだいにキナ臭くなっていく世相を背景に、当時あった検閲制度と、それに対抗する喜劇作家をテーマにした映画です。脚本は三谷幸喜さん。主な出演者は喜劇作家が稲垣吾郎さんで、堅物の検閲官が役所広司さん。いままで笑ったことがないという役所広司さんは、提出された脚本にことごとく上演不許可のハンコを押します。稲垣吾郎さんが提出した台本も、最初から不許可。悪いところは直します、と食い下がる稲垣さん。あれを直しこれを直し日参する稲垣さんに次第に感化されていく役所さん。
この映画はほとんどが取調室で、二人だけで進行していきます。長回しなのかしら。それだけにこの二人の演技力が問われるわけですが、見ているほうもどんどん引き込まれていきます。おもしろいんです。このあとどうなっていくの?と目が離せません。
「笑うだけの芝居なら、上演する必要はないんだー
 役所広司さんの恫喝が当時の検閲を著わしています。
映画が始まったときには、市井の人たちは色とりどりの洋服や和服を着て楽しそうに笑っていたのに、だんだんとモノトーンの国民服に変わっていくんです。そして軍事色が濃くなっていくとき、ラストシーンはわたしたち観客に戦争をいやでも思い出させてしまうのです。戦争は、才能溢れた若い命をいたずらに死に追いやっただけではないでしょうか。戦争はほんとうにいけないことだと思いました。

↑2004年作品 三谷幸喜さんの作品をわたし、これが初めて見たかも。